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RC 名車達
 第1章 田宮OFF-ROAD
 ※黄色字の車種は,現行モデルです。その他はすべて絶版です。

田宮模型
:タミヤの特徴は,「とにかく精密」この一言に尽きます。バギーブームも,F1ブームも,ツーリングカーブームも,田宮模型の存在無くしては語れません。まず我々初心者を魅了したのは速さでもなければ操縦性でもない,素晴らしいデザインと出来のタミヤ製マシン達だったのではないでしょうか。
 特に,RCのボディは「ポリカーボネイト」という耐衝撃性の透明樹脂一体成形が一般的で,立体成型は想像以上に難しいと聞きます。なのに,タミヤのボディは,そこに実車さながらの精密さと美しさを織り込んでいる。世界屈指のプラモデルメーカーだけのことはあります(車によっては,実車を購入してまで寸法取りするそうです!!!)。

 
レースバギー始祖系:本物そっくりの出来と速さを両立
バギーチャンプ
 ・ファイティングバギー

 タミヤはそれまで,お得意のスケール感の高さを大事にしたモデルを作ってきました。しかし,徐々にRCの「動く物」としての,競争意識がユーザーに生まれてきたのも事実。
となると,より速いモデルを作る必要がある・・・。こうして生まれたのが,この2台です。
 僕の入る前の立て役者なので詳しくはわからないのですが,バギーチャンプは伝説となった「ブラックモーター(漆黒のボディと真紅のエンドベルで,後のブラックモータースプリントと呼ばれるモーター)」を標準装備することで,それまでにない速さを確立しました。
 また,ファイティングバギーはそれをモーター以外の面で強化したモデルで,初のピンスパイクタイヤ装備や,リヤのオイルダンパー(ショックアブソーバー)はなんと実車さながらのリザーバータンク別体式!!しかも,防水カバーの廃止等で,大幅な軽量化を実現しています。
 ちなみに,本物のバギーをモチーフとしたために,屋根にはパイプフレームを使ったり,また足回りはフロントがダブルトレーリングアーム,リヤがマクファーソンストラットという構造でした。サスアームはアルミダイキャスト(つまり,鋳造)でしたが,金属を多用したその車体は軽量ではなく,全備重量1800gという重い車でもありました(バギーチャンプは2.1kgだとか)。

 なお,この2台の本当の名は,
バギーチャンプ → THE CHAMP
ファイティングバギー → THE SUPER CHAMP
というわけで,「どう訳せばファイティングバギーなんだ?」という浅はかな疑問も残ります(笑)

 
マイティフロッグ系:革新的な作りで今なお健在
スバルブラットランチャラリー
それまでの金属主体のシャーシから一転,ほとんどをプラスチックで構成したシャーシがこの2台に採用されました。バッテリーを最下層に置いて重心を低く取り,そのバッテリーを腹に抱えるようにプラ製のラダーフレームがシャーシを構成。リヤはオーソドックスなトレーリングアーム方式でしたが,ドライブシャフトにダストブーツが付くなど防塵対策もなされています。また,フロントはスプリング内蔵のダブルウィッシュボーン方式(当時,バギーではダブルウィッシュボーンは珍しかった)で,小型ながらも非常に高い走破性を実現していました。
しかし,驚くべきは,このシャーシは最初から,タミヤきってのレーシングバギーのためのものとして設計されていたという点です。















マイティフロッグ
そのレーシングバギーとは,流麗なボディではありましたが,非常にユニークなレイアウトを持ち,「マイティフロッグ」と名付けられていました(パッケージではザ・フロッグ)。
ファイティングバギーと違い,まず14800円と破格でありながら,リヤオイルダンパーやピンスパイクタイヤ,そして軽量化&低重心に効果的な「ポリカーボネイト製ボディ」を採用するなど,レーシングモデルとしての装備が充実していました。
 また,それまでのタミヤのニッカドバッテリーは7.2Vの「ラクダバッテリー」で,強固なプラケースが重量増加につながっていました。それを,この時期からヒシチューブのみでパックした「レーシングバッテリー」を発売するようになったのですが,マイティフロッグはきちんとレーシングパック対応だったことも付け加えておきます。
 また,設計主任の「滝博士」が「階段から落としてテストしました」とアピールしすぎたせい?か,耐クラッシュ性とダブルスチールアンテナによる「転びにくさ」ばかりが目立った節もありましたが,実際は結構デリケートな車でした。ちょっとクラッシュすると小型のフロントサス周りが痛み,激しくクラッシュするとシャーシそのものが割れてしまったり,ダストブーツ付きとはいえドライブシャフトの脱落も見受けられました。
 ただし,速さそのものはホーネットに全くひけを取りませんでした。なにしろ,ギヤ比を変更できないホーネットと違い,7:1というハイギヤードに設定することもできたからです。そして何よりも,ギャップ走破性は抜群でした。

ちなみに,画像からもわかるとおり,本当の名は「THE FROG」です。なぜマイティ・・・。



ブラックフット
・モンスタービートル

 ・スーパーブラックフット
  ・マッドブラスター
   ・ブッシュデビル
    ・
キングブラックフット
             (発売中)
マイティフロッグのために設計されたモノコックスペースフレームですが,その後はFOXを初めとするピュアレーシングバギーに最強の座を譲った形で,しばらく見なくなっていました。
しかし,にわかにビッグフット(巨大タイヤを履いたトラック)の人気が出てくると,タミヤはこのシャーシを使い,ボディはフォード4×4をリニューアルして「
ブラックフット」をリリース。これがなかなか人気が出たのか,ついでワーゲンバハのボディをリニューアル&搭載した「モンスタービートル」,スバルブラットのボディを使った「マッドブラスター」,蛍光色を効果的に使って今風に仕上げた「ブッシュデビル」,そして大径タイヤをスパイク状に変更するなどリニューアルした「スーパーブラックフット」,そしてフロントサスアームを一新するなど最新型に相応しい「キングブラックフット」・・・・。
 大ブームではありませんが,普遍的なカッコ良さで今なおラインナップされているビッグフット軍団。おかげで,マイティフロッグのシャーシは,バギーブームが一段落してもなお生き続けているのです。
 
グラスホッパー系:RCブームを巻き起こした,RC界のハチロク
グラスホッパー
マイティフロッグはなかなか速くて頑丈だったのですが,14800円という価格は決して安い物ではありませんでした。おまけに,結構金属パーツが多く,逆に壊れる原因でもありました。
そんな中,革新的な車が出ます。「グラスホッパー」と呼ばれたこのマシンは,なんと!半額の7400円ぽっきり!標準モーターは一回り小さい「RS380H」でしたが,信じられないくらいに軽いシャーシには充分すぎるほどで,なかなか速い(と言っても小走りで追いつけるけど・・・)。
 しかし,すぐに540モーターに換装できる構造になっていたので,パワー不足の問題はまったくなし。あっという間に大人気となり,また改造ベース車として様々なメーカーがこぞってパーツを販売したのです。
 この車の特徴は,バッテリー縦置き+モーターミドシップによる運動性と,フロントストラット,リヤリジッドというサスペンションをしっかり持っていたことです。おまけに部品数も少なく,軽くて非常に頑丈でした。
 また,リヤサスはマイティフロッグのショックを流用できるとあって,この改造は結構見られました(ホーネット仕様のサスキットが出ると,そっちに皆行ったようですが・・・)
 ただ,パワーを上げるに従ってコントロールがシビアになり,その点ではマイティフロッグに一歩譲らざるを得ませんでした。



パジェロ(パリダカールラリー仕様)

 グラスホッパーのシャーシ構造は,大いに歓迎されました。バスタブフレームと呼ばれたそれはまさしく船のような構造で,まずまずの防塵性を持ちながらメンテナンス性は抜群,部品点数も少なく作りやすい,しかも冬でも耐クラッシュ性に優れたABS樹脂・・・。
 そのシャーシをあらたに大型化して作ったのがこのパリダカパジェロ(後に,実車さながらのパジェロ4WDメタルトップが販売されましたが,これは後輪駆動)です。
 ボディはパジェロショートのそれですが,なにぶん10分の1スケールなので非常に大柄でした(それでもスケール感が抜群!!)。シャーシもそれに合わせて大型化し,ギヤボックスはグラスホッパーを流用という構造でした。ただし,シャーシはワイルドウィリスのようにバッテリーを最後部に搭載できるようにしており,当然容易にウィリー走行できるように設計されていました。なかなか速く,しかもグラスホッパー同様にマイティフロッグのショックを流用できたのです。もっとも,案外重たいフロントの揺れを抑えることができず,凸凹で暴れたり転んだりする車になっていたのが残念。これは,履いていたブロックパターンの前後タイヤ(バギーチャンプのもの)が固めであったことにも起因していると思われます。

ホーネット(4独ホーネット)
別の章で扱っているので,ノーマルについては割愛します。
ただし,「4独ホーネット」についてはここで採り上げたいと思います。

「ホーネットの弱点は足回りにあり。軽量を生かし,足さえなんとかなれば最強をねらえる」
そんな発想になるのも自然な流れかもしれません。それほどギャップ走破性は苦手でした。
まず,フロントサスです。
トレッドが180mm未満という狭さと,ほとんどスリックに近いリブパターンタイヤはアンダーステアの「元凶」でした。ガッチリとしたAアームで,ショック部分には余計な力が加わらない,なかなか優れたストラットサスでしたが,最低地上高を30mmほども取っている代わりに明らかにポジティブキャンバーで,これもアンダーの原因でした。
 これを,一気にダブルウィッシュボーンにしてしまおう,というのが「4独ホーネット」の第1歩です。まず,Aアームはそのままロアアームとして生かし,新たにピロボールとロッドを追加してF1のようなアッパーアームを形成。このレイアウトでトレッドはおろか,キャンバー・キャスターまでも自由に設定することができました。僕はタミヤの強化ピロボールセットを4セットばかり使い,それに京商のタイロッドとボールジョイントを組み合わせて作成。アライメントなどどこ吹く風でしたが,トレッドはなんと!!!215mmというワイドトレッド(FOXやHOTSHOTより長い)で使っていました。その代わり,ナックルアームがないためにアップライト周辺が大きくなり,大径タイヤしか履けなくなりました。(このグリップ力不足を補うため,最終的にはFOX系の大径ホイルにHOTSHOT用フロントピンスパイクを無理矢理はめて装着してました)
フロントショックはやはり大型を使いたかったので,最終的にはダンパーステーを3mmFRPで自作して,タミヤの黄色いCVAショートを装着。・・・と簡単に言ってますが,最低2年間は紆余曲折しています。
 リヤが一番問題でした。雑誌では,純正ギヤボックスを加工し,ヒロボーゼルダの足回りを移植してダブルウィッシュボーン化したりと,ちょっと真似できないテクニックばかり。しかし,その中で唯一できそうなのが,ホットショットのギヤボックスを移植することでした(一旦移植してしまえば,サスアームはもちろん,ダンパーステー(もちろんスーパーショット型の左右独立)までギヤボックスに取り付けだったので,一気に解決できた)。
 泣く泣く?我がHOTSHOTをバラし,リヤユニットをホーネットのシャーシにFRP板やロッドで固定。思ったより普通に付いてしまいました。しかも,モーター位置は下がるわ,ギヤ比は選び放題,当然HOTSHOT系のロープロファイルタイヤが使い放題,ダンパーも当時最新型の黄色いCVAが付くなど,メリットばかり。
 ただし,ホットショットのギヤボックスそのものに,構造的欠陥があるとは・・・このときは知る由もありませんでした。







グラスホッパーU
 すでに時代は4WDへの道を歩んでいましたが,そこは田宮の良さ。値段的にも底辺を支えているグラスホッパーを,モデルチェンジ(RC界では珍しい!!)しました。
 まず,シャーシがABS製からEPL製へと変更され,耐衝撃性は低下しましたが,軽量で強固なカッチリしたシャーシになりました。
 また,その他も変更点は多いのですが,もっとも違うのはフロントサスペンション。先代同様ストラットなのですが,サスアーム長を伸ばし,適度なトレッドを手に入れました。タイヤもファルコンに採用された,小径で安価でなかなか性能も優れているもの。
 ボディも滑らかな曲線を描いた綺麗なデザインで(ポリカ製でないのが少々残念),新しい世代を予感させました。
 おまけに,値段は7400円の据え置き。これはすごい!!!
 実際の走りでは,ダンパーなしなのでヒョコヒョコ上下する感じですが,380モーターでも以外に力強く,軽快に走ります。


スーパーG
グラスホッパーUの限定モデルとして作られました。前後にワイルドワンの大径ピンスパイクタイヤを履いたり,オイルダンパーを装備したりと,グレードアップされた「タイプS」のような存在です。
 ただ,あまり見かけることなく(見かけても,いじったグラUとしか見えないだろう・・・・),いつの間にか消えてしまったモデルです。



 スーパーホーネット
実質上,ホーネットのモデルチェンジ版。「ホーネット」のコラムで大きく扱いましたが,とにかく「出た」ことに意味があると思います。昨年あたり,再生産されたのか,各ショップに入荷していました。今でも買えるかもしれません。


 ルーキーラビット
  
ファイターバギーRX(発売中)
 グラスホッパーの後継機となったのは,プロポ等完全セットで販売された「ルーキーラビット」です。後輪が大きく後退するなど,斬新なデザインをしていますが,よく見るとどれもグラスホッパー系の弱点を根本から見直した跡が伺えます。
 なお,現在はステッカーが変更されている「ファイターバギーRX(ミニ四ファイターにちなんでいるらしい)」が販売されています。これも7000円程度の破格値!!
 でも,ポテンシャルは凄いですよ。速いです。



マッドファイター(発売中)

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ワイルドウィリス系:コミカルで楽しさを具現化した貴重なモデル
 ワイルドウィリス
 ・シティターボウィリーレーサー
 厳密・精密モデルから,ファンキーな姿と走りを狙ったのがこの二台でしょう。同じシャーシで作られている兄弟車で,バッテリーは一番後ろの一番高いところにわざと搭載する構造でした。もちろん,アクセル操作で容易にウィリーさせるためのものです。
 このモデル,実はスーパーマーケットのプラモ売り場にも置いてあるほど,その販売には力を入れていたようです。「なんで,こんなにでっかい箱のプラモがあるんだ!!」と,僕は思ってました(笑)


















ワイルドウィリー2(発売中)
復刻・・・いや,完全リニューアルとなったのがこのクルマ。詳しくは,田宮模型のHPにあります。簡単に言うと,ボディは完全復刻ですが,シャーシを最新の技術で作った(ツーリングカーのTL01のノウハウで軽量・シンプルに作り上げた)のです。それから,密かにタイヤが大きくなり,非常に格好良くなりました。
 ひとつ気付いたのは,「ワイルドウィリス2」ではないこと。本当は1作目も本名「WILD WILLY」なのですが,ベースがウィリスジープであることからか「日本名」が本名と変わっていたようです。



 
アタックバギー系:古き良き機構を継承したスケールモデル
アタックバギー
大ヒットのホーネットの次に販売されたのがこれです。
ミリタリーマニアには泣かせるほどの出来,それが軍用「アタックバギー」。
当時の雑誌等では,機銃を改造してBB弾を発射できるようにしたり,明細塗装にしたりと大にぎわいでしたが,レースではなかなか見かけることは少なかった・・・・。
ちなみに,前後トレーリングアームという,まさに本物のバギーのような構造でした。

ワイルドワン
しかし,これが出るとは正直言って驚きました。
アタックバギーをレース用にフルチューン・・・そんな作りだったのです。フロントにはホーネットの,リヤにはマイティフロッグのオイルダンパーをそれぞれ搭載し,実は当時田宮では非常に貴重な,4輪独立オイルダンパー装備バギーだったのです。
値段も13800円と,なかなか手頃。友人も持っていました。
 しかし,何よりこのクルマの特徴は,その前後タイヤ。
ホットショットの2駆バージョンのような,すごい大径ホイルとタイヤだったのです。これがワンピースで軽量,そして田宮の中心的タイヤシリーズとなるのです。
ただ,フロントタイヤのリブパターンは,ミゾが浅くてちっとも食いつきませんでした(笑)

 
 
HOTSHOT系:フルタイム4WDを普及させた記念すべき一台
※別コラムで扱っております。そちらをご参照ください。長いです(笑)

 
ファルコン系
FOX(フォックス)
ホットショットの技術は,早速2輪駆動にも応用されました。
「狐」の名を持つその車は,マイティフロッグよりも高い17800円の価格で登場。これ見よがしに黄色い大容量ダンパー(CVAダンパーの登場はこれが初めて)と,金メッキの大径ホイルで,新世代のバギーを予感させました。そしてまさしく,マイティフロッグに代わる最強の2WDバギーの名を欲しいままにしました。
 シャーシはフォックス専用でしたが,ホットショットのそれを踏襲した密閉モノコックでした。また,前後ロングサスアームのダブルウィッシュボーンサスと,RR駆動など,その後のバギーにおけるスタイルを確立したと言えるでしょう。
 構造的な特徴は,リヤのドライブシャフトにヘキサゴンジョイントを使ったところです。しかも,御丁寧にラバーブーツまで付いていました。(それでも,リヤのストロークがありすぎて,実際は脱落しやすかった・・・。)
 実は,最強の名を欲しいままにしたFOXも,実は1台限りで絶えてしまいます。
 このころ,既に京商の「アルティマ」が猛威を振るっていました。フォックスも良い素質を持ってはいたのですが,その狭いセッティング領域と重さ,そしてチューニングしやすさ(田宮はこのころ,チューニングパーツやスペアパーツをあまりショップで販売していなかった)の違いは歴然でした。この後,対抗馬として「アスチュート」を出すのですが,その代わり田宮のバギーはそれ以降,非常に高額なものになってしまうのです。
 それにしても,このころの田宮バギーは必ず車にイメージマークがありました。これがまた好きでした。この後はなぜか無くなるのですが・・・残念です。
 このデザインの入ったグッズでもあれば,即座に欲しいところです・・・。


ファルコン
11800円という安さと,4輪独立オイルダンパーが売りのファルコン。フロントにロングサスアームのダブルウィッシュボーン,リヤに信頼性の高いトレーリングアームを採用,またシャーシはバスタブ。目新しいものではないけれども,今までの実績とノウハウを至る所に反映させて作っています。ドライブシャフトをプラ製としたのは,なかなか面白い!!速いし安いしかっこいいし,個人的には高く評価したいクルマです。
 ただ,フロントのダブルウィッシュボーンはダンパー取り付けが少々問題なのか,スプリングを固めにしないとリバウンドが得られないことです(これはスーパーショットでも同様)。

 
ストライカー系
ストライカー
グラスホッパーの次に,入門用の高性能バギーとして出たのが「ストライカー」です。非常に合理的な作りで,シャーシがボディを兼用しているという,まさに実車さながらのモノコックスタイルを採っていました。そのボディデザインは,当時徐々に人気が出てきたF1のそれ。皆さんのカラーリングだけでもなかなか見応えがありました。
 モーターは一番後ろという,いわばRR方式。実車ではポルシェくらいしか採用していない方式ですが,実はオフロードマシンにおいてはリヤのトラクションを稼ぐために非常に有効なのです。(むしろ,ミドシップがほとんどいない・・・)気になるリバースステア特性も,御覧の通りフロントタイヤが細いのがバギーのスタイルですから,終始弱アンダー気味なのです(逆に,そのくらい安定性がないと,当たり前に滑るオフロードでは走らない)。
 フロントサスはグラスホッパーを継承するストラット方式。リヤは,トレーリングアームを斜めに配置したセミトレーリングアーム。もともとトレーリングアーム方式は横剛性が弱いので,それを斜めにして剛性を確保する共に,バンプした際に適度なキャンバー変化を与えてトラクションを稼ぐ目的があります。オイルダンパーは無しですが,リヤはCVA装着可能になっていました。・・・・フロントはどうなるんだ?
 ちなみに,グラスホッパーほど目立つことはありませんでしたが,ハッキリ言ってかなり軽く,モーター次第では,ストレートは見ていて危ないくらい(どっか飛んでいきそう)速かったです。
 ただし,プッシュアンダーがかなりあったような・・・

ソニックファイター
ストライカーの正当後継となったのが,このソニックファイター。名前からもわかるように,今度のモチーフは戦闘機。これがなかなか格好良く,しかもシャーシはストライカー同様モノコックで軽量に仕上がっていました。
 この車の最大の特徴は,前後にCVAオイルダンパーを装着していること。特に,フロントはCVAがロング&ショートの2種類しかなかったのを,ついに「ミニ」を発売,装着しているのです。このためダンパーステーも新設計となりました。
 しかし,この車は当初,特殊な売り方だったのです。完全セットのみで販売しており,入門者への対応を強化していたのです。おかげで,かえって入手しにくい車だった気がします。
 その後,気が付くとキットのみで販売していました・・・・。

 
サンダーショット系
サンダーショット
 ホットショット兄弟もスーパーセーバーが出たとき,さすがにレースでの優位性はあまり感じられませんでした。
 それを知ってか知らずか,その直後に突如ショットシリーズはモデルチェンジしたのです。

 それが,このサンダーショットです。

 すでにバギーブームも少々かげりをみせていましたが,田宮の本気度はこの車に凝縮されています。

 まず,価格13800円。ブーメランよりも2000円も安い(代わりにボールベアリング無し)!!
 その構造は,非常に進化したものです。シャーシはブーメランの流れを汲むバスタブシャーシですが,ギヤボックスも含め完全新設計。大型だったギヤボックスを小型化したことで,逆にシャーシのゆとりも生まました。メカの搭載方法にも余裕がでるほどで,しかもシャーシ剛性も構造上の工夫で高められています。ギヤボックスの取り付け方法も一層強固になりました。

 ギヤボックスは,すべて新設計。旧型と同様,モーターはリヤミドシップ横置き,それをシャフトドライブで伝えるのですが,前輪駆動側のギヤを一枚減らすことに成功。これで駆動ロス低減に一役買っています。

 ギヤの精度そのものも向上したのか,歯のピッチを細かくしており,あきらかにギヤノイズが低減されているのも特長です。

 モーター取り付けは,これがなかなか工夫されており,一度サブマウントに取り付けてからサブマウントごとギヤボックスに装着するというもの。これでギヤ比のセッティングがサブマウントに装着する際に行うので,非常にやりやすいのです。また,クラッシュでもバックラッシュ(ギヤの噛み合いに必要な微妙な隙間)がずれないので,非常に重宝しました。クラッシュでサブマウントが破損してしまうトラブルもありましたが,逆に社外品で金属製のサブマウント(フィンがついており,空冷ヒートシンクとしても効果大)が登場するという思わぬメリットも生まれました。これで課題だったオーバーヒート対策はまずまず改善されました。

 そして,デフギヤがついに!!小型化され,更にオプティマ型の密閉された形に改められました。これはギヤグリスが外に飛び散らないだけでなく,脱着の際の整備性にもつながり,何よりギヤボックスの劣化でもデフのギヤなめが発生しないので非常に助かりました。逆に,このデフボックスの中に固い(粘度#30000くらいの)グリスを封入してやれば,疑似ビスカスLSDになり,コーナリング特性をそれだけでかなり改善できたのです(でもやっている人は少なかったですけど)。

 次に,サスペンション。これも完全新作です。ドライブシャフトの長さがブーメランより明らかに長く,サスペンションがロングスパン化されていることがわかります。サスアームもアッパーアームはIアーム,ロアアームは非常に軽量な細めのHアームで,驚異のロングストロークを実現。しかも,バネ下荷重を低減しています。

 また,フロントは従来の上下Aアーム&ボールジョイントを廃止し,オプティマ同様のナックルアーム介在型に直されました。これは非常に大きな変更点で,作動もスムーズでサスストロークからステア切れ角まで増大させています。

 ダンパーはもはや定番となったCVAダンパーで,安定した効きを発揮します。サンダーショットではまだモノショックでしたが,実は既にデュアルショック用のサスピボットまで設けられており,ほとんどの方はそれを利用したと思います(正確に言うと,当時のCVAショートダンパーでは長すぎたのです。後で登場したCVAミニダンパーサイズだったとは当時誰も思いませんでした・・・・。)驚くべきことに,ダンパー取り付け穴も多数設けられており,足回りのセッティングだけで充分いろいろ試すことができる車でした。

 タイヤも優秀。僕が当時愛用していたタイヤで,ファルコンのリヤタイヤだったものです。ややホットショットのそれより小径で,また扁平率もそこそこでギャップ走破性も抜群でした。そして800円(普通のタイヤは1200円程度)と安価でした・・・。

で,実際の走りは・・・・これが感動物でした。
なにより,標準のRS540SH(このころから,通称「ゴーヨン」はモデルチェンジしていた)を搭載した状態で,なんとストレートは同じく540搭載の純正オプティマとほぼ同等!!これは凄いことでした。ホットショットではまずあり得なかったのですから・・・・。しかも伸びはあきらかにこちらが上で,しかもギヤノイズも少なく,足回りも結構動き,バスタブシャーシなので整備性もよく,そしてFETアンプにも助けられ全備重量が1650g級!!!個人的にはもう言うことなしの車でした。

 また,コーナリング特性もアンダーステアが小さい車で,ステアの切れ角が小さいのにテールがいい感じで流れ,小回りも自由自在でした。ホットショット系の永遠の課題と思われていたステアのアッカーマン現象も,今回は更に改善され,2本の長いアームを介して作動させるステアワイパーが採用され,泥つまりもなくアッカーマンも見事に完全解消されました。そのうえ,ナックルアーム型になったためか非常にサスの作動がスムースで,柔らかい作動のCVAダンパーと相まって非常に高いギャップ走破性を実現していました。

 弱点も,微々たるものでしたがいくつかありました。
 まず,対クラッシュ性が芳しくないと言うこと。
 軽量に走ったせいか,サスアームが細すぎて明らかに剛性不足で,フロントサスアームは何度かクラッシュすると疲労箇所が「白濁」し,しまいにぽろっと折れてしまうのです。この問題は,田宮もわかっていたようで,途中からサスアームの構造に補強を入れるようになりました。
 それから,クラッシュすると壊れていたのがモーター取り付けのサブマウント。長ネジのかわりにタッピングビス&長いプラスチックでできている部分が異様に折れやすかったのを記憶しています。ここがやられるとバックラッシュに悪影響が出て,駆動系が一気に痛むおそれがありました。しかも,この部分はスペアパーツも出ていなかったのです。
 また,μの高い舗装道路で走ると途中から突然テールが滑り出し,「失速」するのです(この現象は,1人で走らせていると気付きにくいのですが,レースでオプティマ勢に差を付けられたのが中速コーナーの立ち上がりだったので・・・)。低速コーナーは得意になりましたが,中速コーナーは逆に苦手になったかなというのが感想です。しかし,曲がらなかった今までよりは遙かに有り難いことでしたし,個人で楽しむ分には,この特性は非常に面白かったです。
 そして,ドライブシャフトの脱落が多い車でした。もともとフロントはステアを切ると外れやすく,そこにクラッシュが重なるとほぼ間違いなく脱落していたホットショット系(オプティマ系も同様)でしたが,この車はリヤのロングストローク(35mmくらいあった)が災いし,リヤのドライブシャフトも脱落しやすかったのです。そのため,作動量を制限する手段を施さなければなりませんでした。
 最後に,ステアワイパーが採用されたことで,ステアの切れ角が制限されてしまう弱点がありましたが,これは結構気が付きにくいポイントではなかったかと思います。なぜなら,前述の通り,リヤがスライドしやすい車だったのでステアをもっと必要とする場面が少なかったからだと思われます。
 いろいろ書いたサンダーショットですが,むしろこの車は「走行性能」よりも,耐久性という意味で課題を残しました。それは,それだけ速く走ることが出来る,というポイントもあったように思います。すでにバギー人気は下火に向かっており,また高性能車・高額車に目が向きがちなRC界でしたが,こういった底辺を支える「陰の名車」があったことも大事だと思います。
 その意味で,僕はこの車を「4WDの入門版」として高く評価します。



























サンダードラゴン
コロコロコミック「ラジコンボーイ」に登場する「雷龍」サンダードラゴンボディをまとって,サンダーショットよりちょっと後に登場。価格は据え置き。僕はこれを買ってしまいました。性能的には全く変わりないのですが,実はこのボディが付くと言うことは田宮にとって非常に大きな進歩でした。なぜならば,このボディはコロコロ専用の限定販売であり,機会を逃した人が手に入れるすべが無かったということ。
 もうひとつは,もともとホーネット専用のボディであったのを装着できると言うことは,すなわちサンダーショット系シャーシにはホーネット系ボディがすべて装着可能であることを意味します。このような,他車種でのボディコンバートは田宮において滅多にないことなので(あるとしてもトラック系でした),結構大きいポイントだったと思います。

ファイヤードラゴン
画像はミニ四駆のものです。申し訳ありません。
しばらく後に出たので,かなり悔しい思いをしました。個人的には「火龍」ファイヤードラゴンボディのほうが好みでしたし,またフロントダンパーがモノショックではなく左右独立,しかも新型の「CVAミニ」だったこと・・・ちょっとした違いですが,同じ価格でこれをやられると確かに悔しい!!!(おまけに,最後の「聖龍」セイントドラゴンは,なぜか2WD仕様で販売したし・・・あれを待っていた俺って一体・・・・)

スコーチャー
本当は「テラ・スコーチャー」なのですが,なぜか日本語ではただの「スコーチャー」・・・。まあそれは良いとして,問題はこの車がバンキッシュと同時に発売されたことです。どうしても上位機種扱いのアバンテシリーズに目が向き,こちらは目立たないのです。お値段はバンキッシュとほぼ同等の25000円級でしたが,フルベアリングを含めフル装備状態だったので,非常に性能の高い車だったりします。おまけに,フロントダンパーステーは完全新作で,サンダーショット標準の小さなそれとは違ってサイズ・角度とも申し分ないものになっていました。おそらくサンダーユーザーもこのパーツだけはほしがったのではないかと思います(おそらく多くの方は社外品ステーだったかも・・・)
 何よりも,我が弟がこのボディをいたく気に入っておりました。
 なお,このボディは,現在も「ダートスラッシャー」という名で,新たなシャーシを与えられ現在も販売中です。

 
アバンテ系
ポルシェ959&セリカGr.B
突然登場した,12分の1のデュアルパーパスモデル(オンロードもオフロードも走れる,と言う意味)。性能向上のために巨大化が進むバギーの中にあって,いきなりコンパクトなモデルだったのを思い出します。
 このモデルは2種類で終わってしまいましたが,そのメカニズムは非常に斬新でした。
 まず,フルタイム4WDの構造が今までと違います。
 モーターをミドシップに置くのですが,それを縦置きにしているのです。ただし,バッテリーを避けてドライブシャフトを通すためか,必要以上にギヤを使ってレイアウトしていたようです。
 また,サスはダブルウィッシュボーンですが,ダンパーも
 モーターをミドシップに置くのですが,それを縦置きにしているのです。ただし,バッテリーを避けてドライブシャフトを通すためか,必要以上にギヤを使ってレイアウトしていたようです。
 また,サスはダブルウィッシュボーンですが,ダンパーもオリジナルで,なかなか興味深い車でした。
 モーターは最初からRX540VZテクニゴールド(確か,発売前に標準装備だったような・・・)で,スピードは驚異的でした。
 重心が高いせいか,コーナーで転んでいた車が多かったのが印象的です。
 最初は,「これ使ってバギー作れないかな」なんて思ってましたが・・・・。



アバンテ
「アバンテ・ショック」
そんな言葉がラジコンマガジンを賑わせましたのを思い出します。

 実は発表前から,RCガイドブックの新作あたりに,「田宮 アバンテ」という名前はあったらしいのです。この段階でラジマガでも採り上げられ,「どうやら田宮が本気でレースに勝てる車を出すらしい」という話だったのです。
 そして,登場したのは,田宮でも伝説に残る名車であり,同時に不運な名車でもありました。

 ポルシェ959を更に改良したように,FRPのダブルデッキ。バッテリーも縦置き。新型シャフトドライブ(後のTB01に継承される,モーター縦置き)。サスアームはすべてロッド&ピロボールのオールアルミ製。ダンパー新型。ロックナット不要ホイル新型。ボディ専用型。リヤウイング角度調整機構。デフは小型のプラネタリーデフ。とにかく新設計の塊で,田宮のやる気が感じられました。

 それで,実際の走行性能はどうだったか。
 確かに,ストレートは速かったです。なにしろ駆動ロスを今まで以上に軽減したわけですから,遅いはずがありません。また,モーター縦置きによるトルク変動の挙動もあまりなく,非常にスムースな走りでした。
 しかし,問題が無かったわけではありません。
 まず,軽そうな見た目と裏腹に,なんと1800gにも達する車重。これが現実でした。実にスーパーショットと同等なのですから・・・。その原因ですが,まずメインのFRPシャーシがダブルデッキであること(←でも大したことはないかも),専用ホイルが重いこと,そしてなによりも金属製パーツが重量増にもっともつながったことです。特にサスアームは専用のアルミ製とはいえ,大型ピロボールも含めかなりの重さだったようです。この重さで走り回るにはどうしてもモーターパワーに頼らざるを得ず,結果バッテリーが持たない・・・駆動ロスも軽いほうだとはいえ,当時流行し始めたベルト駆動のそれとくらべると慣性モーメントが明らかに違いました。
 そして,そのサスペンションも結果的に問題でした。
まずフロントは,ダンパーを寝かせているために,急な突き上げに対してダンパーよりスプリングが効く状態ではなかったかと思われます。更に,そのアライメントも発展途上であり,アンダーステア改善につながったかどうかはわかりません。結果,フロントに荷重が載りにくい傾向にあったと思われます。
 リヤサスはもっと深刻でした。トレーリングアームを持ったダブルウィッシュボーンはRCでは珍しく(実車ではインスパイア系がリヤに普通に使ってますが・・・),なかなか面白かったのですが,ギャップ走破性は良かったのですがキャンバー角&キャスター角がストローク時に大きく変化しすぎて(しかもストロークが非常に大きくとられていた),なんとアンダーからリバースオーバーになってしまうというやっかいな特性を持つに至ったのです。これは,いくらロッドが長さ調整式だったとはいえ,ストローク時のアライメント変化量までは調整できなかったのが問題だったかもしれません。
 最後に,重量バランスの問題がありました。最低地上高を確保するために,モーターを少々高い位置に置いてしまったこと,バッテリーを縦に積んだことで重心が前にいってしまったこと(オンロードではちょうど良い重心だったかも・・・),バッテリー縦置きによる,左右重量バランスの狂い・・・・どれが主因かは僕もわかりませんが,とにかくアンダーオーバーの出る車でした。
 そして,このコーナリング特性が,結果的にアバンテの寿命を縮めてしまったように思います。










バンキッシュ

「絶対出す」と思っていたのが,アバンテの廉価版。このころの田宮は「オリジナル発表→廉価版発表→改造板発表」の流れが多かったせいか,またアバンテが34800円もしたことで,間違いなく登場が期待されていたと思われます。
 かくして,バンキッシュは,スコーチャーと共に登場しました。廉価版でも26800円もした高額モデルだったので,僕などは溜息をついたものです。
 バンキッシュの特徴は,「アバンテを徹底的にプラパーツに置き換えた」ところでしょう。サスアームは言うに及ばず,シャーシやダンパーまでプラスチック。しかし,ある意味でこのほうが田宮らしい気もしました。もちろん,基本性能はアバンテと遜色なく,非常に速い車だったのです。


イグレス

それにしても,「まさかあの高価なアバンテのチューンバージョンは出ないだろう」と思っていたら,何と出た!!!!
その名はイグレス。そして気になるお値段,実に44800円。
もう,買えません。走らすのさえ持ったいないほどです。

 では,どこが高くなったのか。
それは,「すべて」と言うべきでしょう。念願のカーボンシャーシはもとより(←これだって田宮にしては快挙だった),フルベアリング,センタートルクスプリットデフ(←これが,ホットショット以来待ち望まれていたシステム!!),専用スタッドスパイク,専用カーボン混入強化ホイル,専用ボディ,新型の「ハイキャップダンパー」,専用ダンパーステー・・・・もはや,手を加えられるところはすべてやったという感じです。
しかし,お値段だけでなく,個人的にあまり喜べない車でした。
今でこそ慣れましたが,そのボディデザインは有機的で,少々抵抗がありましたし・・・。
今は欲しいです(笑) なにしろ,アバンテ系最強のモデルですから…。
 ところで,このころは田宮もワークス活動を展開しており,「TRF(田宮・レーシング・ファクトリー)」が様々なレースに参加していました。その中で,この車も天才・前住選手等によってテストされていたようですが,結局リヤの限界が低いこと,唐突に流れ出す症状を止めることが出来ないなど,根本的な見直しが必要でした。


アバンテ2001

この車,2001年に生まれたわけではありません。
某コミックから派生し,アバンテをリニューアルして登場させたというのが真相のようです。
とにかく,バンキッシュなみの値段に下げられ,非常に買い得感がありました。更にバンキッシュやイグレスのノウハウを生かし,プラサスアームやロングホイルベース化など,なかなか進化の度合いが見られました。
そして,あまり知られていないことですが,ボディも作り直されています。ぱっと見るとなかなか区別は付きにくいのですが,ウイングの大型化,ノーズの細身化など,細かいところに手が入っています(なお,ミニ四駆のアバンテJrとアバンテ2001Jrも,同様に手直しがなされているそうです)

 これをもって,画期的だったモーター縦置きシャフトドライブ駆動は一旦表舞台から姿を消しました。
 走行特性にクセを与えてしまったマイナス面はありましたが,それはこの駆動形式が持ち込んだこととは僕には思えないのです。
 結局,ニュートラルな特性のマンタレイ系に移行してしまい,この車が更に発展するには10年近く後,TB01の登場を待たねばなりません。

 
アスチュート系
アスチュート
サンダーショット・アバンテの流れを受け,2WDバギーにも新たな流れが到来しました。
 それまでとは違い,RC界の主流となっているアソシRC−10や京商アルティマの流れを汲み,RRで,しかもFRP一枚板のシャーシを持つシンプルな構造。
 勝つために作られた車・・・それがアスチュートです。
20000円を超えるという価格で,CVAダンパーを4本装着し,そして何より今までにないほど大きなトレッドとホイルベース。全ての搭載位置が低められて生まれた超低重心。
 アスチュートは,フォックスのそれを明らかに超え,2駆ならではの軽さを生かしたストレートスピードが特徴でした。
 また,お皿のようなディッシュホイルも性能向上のためです。泥が付きにくいというメリットが確かにありました。(しかし,フロントタイヤは極端に小径で,ホーネット系にはあまり似合わなかった・・・。)
 実車を手にしたことがないので,走行特性等はわかりません。
 しかし,この車には弱点が確かにあったのです。
 それは,対クラッシュ性です。
 アルティマのそれと違い,一枚板シャーシとはいえ,フロントブロックが独立したプラ製ユニットで,バンパーもここに取り付けられていたため,クラッシュするとユニットそのものが破損し,レース続行が厳しかったのです。確かにスーパーアスチュートという進化版も生まれましたが,結局この問題は完全新作の「ダイナストーム」が出るまで,田宮だけに発生する問題として根深く残ったように思います。



マッドキャップ

やはり出た・・・・というより,待望の廉価版アスチュートがこれ。11800円が果たして廉価版かどうかという疑問はありましたが(だって4駆のサンダーショット系が13800円。価格差を考えるとこっち買います),グラスホッパーから続くビギナー用マシンとしては最高クラスのポテンシャルを与えられたことになります。
 むしろこの車の方が,対クラッシュ性は良かったかもしれません。シャーシもプラ製のバスタブなので,フロントユニットだけに衝撃がたまりにくかったのではないでしょうか。

 
マンタレイ系
マンタレイ

 皆さんは,この車を知っていますか?
 ツーリングカーから入った方,そしてバギーで卒業した方には,あまり記憶に残らない車かもしれません。
 しかし,僕はこの車を非常に高く評価します。
田宮がRCへの考え方を変えた,まさに節目だと思うからです。
それだけ,多くのノウハウがこの車には集約されています。では,どこがそんなに凄いのか?

 まず,シャーシ。
 今までにないほどのシャーシ剛性なのです。手で曲げてもあまりたわみません。バスタブシャーシの縁の部分を,非常に分厚く設計しているのです。また,補強用のリブもシャーシ左右に細かく張り巡らしています。更に,CB5インスパイアでおなじみ,ハニカム型フロアを採用!!!とにかくシャーシが凄いのがわかると思います。そのせいか,このシャーシが割れたと言う話はほとんど聞きませんでした。(この強度があったからこそ,ツーリングカーでも平気で走れたのでしょうね・・・。)

 そして,駆動系。サンダーショット系のそれを更に洗練し,非常にスムースに伝達されるのが特長です。センタードライブシャフトもブーメラン以来のピアノ線形状から,しっかりした太さのものに変更されました。
 しかし,一番の変更点はギヤボックスそのものです。
 田宮のギヤボックスはサスマウントやシャーシの一部を兼ねるため(これは実車のF1と同様!),どうしてもギヤボックスが大型で複雑な形状になり,そのためにギヤ交換等のメンテナンス性は期待できない代物だったのですが,なんと!!!そこを徹底的に改善し,ギヤボックスをシャーシに付けたまま,ほとんどのギヤを脱着できるように画期的な構造に変更しました。それは,ギヤボックスにもメインフレームを与え,それにハッチを多数取り付けることで,ネジを外せば必要な箇所が脱着できるというものです。今までの田宮にはなかった,非常に素晴らしい構造です。しかも,作り易さが相変わらずトップレベルであることも特筆すべき点です。
 その代わり,ギヤボックスはやや重量増となってしまいました。このため,後に来るツーリングカーブームでは,最終的に速さを追い求める流れになったとき,マイナスポイントとして苦しい戦いを強いられることになります(それでも僕はこの手法を高く評価しますが・・・)。

 そして,サスペンション。
 構成はサンダーショットの流れを継承する,ナックルアーム介在型のアッパーIアーム方式の前後ダブルウィッシュボーン。もちろん前後CVAダンパー装着で(しかもこの取り付け位置がなかなか絶妙)熟成の域を感じさせますが,実はサスアームが凄い。
 マンタレイのサスアームは,それまでのハシゴのようなアームから一変,実車のサイドシルのように,ボックス型の形をしています。簡単に言えば軽量化の穴を一切開けず,中空にしてしまうのです。中には補強用のリブがあり,薄皮ながらもなかなか高い剛性を持っており,何より泥が付きにくいのが素晴らしい!!!!素晴らしい発想です。
 更に,先代の課題であった対クラッシュ性にも気が配られています。
 サスシャフトはEリングで留めて使うのが一般的でしたが・・・それを長いシャフトを「コ」の字型に曲げ,左右のサスシャフトを1本でまかなってしまおうという発想です。
 このおかげで,Eリングを使う部分が減ったほか,左右のシャフトが一体化しているので今までありがちだったサスの根本のガタが解消し,非常に剛性感のある作りとなりました。

 そして,この工夫のカタマリが,なんと12800円!!!サンダーショットよりも安い!!!

 しかし,この車が陽の目を見たかどうかは疑問です。既にバギーブームも過ぎ去っていたように思うのです。僕もニュースを見て「いつか欲しいな」と思いつつ,結局F1に走ったのですから,人のことは言えません。

 思ったのは,この特徴的なボディと名前が,少々心残りです。
 いや,このボディは好きですし,名前も個性的で嫌いではありません。しかし,できればこの記念すべきモデルチェンジに際し,「●●ショット」というショット系のネーミングをして欲しかったように今更ながら感じるのです。
 ・・・それは,結局次の「トップフォース」に譲ってしまったということでしょうか?












 トップフォース
  &
トップフォースエボリューション

 名前からして力が入っています。
 田宮RCカーシリーズ100作目を記念し,開発されたとのこと。マンタレイをベースにしながら,FRPのダブルデッキで一段と高い剛性を確保し,前後ボールデフまで与えられています。アバンテでなしえなかった栄光を担うべく,この車は生まれたのです。ボディも全面でダウンフォースを得られるようにデザインされており,斬新で格好良かったものです。残念ながらこのあたりで人気が既にF1に移行していたため,その性能とは裏腹に人気を得ることは出来なかったかもしれませんが,これもまた名車ではないかと思います。
 田宮の本気は,この半年後に出した「エボリューション」に現れています。なにしろ価格は38000円。イグレスに匹敵する高額です。その内容も半端ではなく,カーボンシャーシやチタンビス,そしてトルクスプリッターと,イグレス同様のハイチューンがなされました。
 
 実は,田宮のレース仕様4WDバギーは,実質的にこのモデルを持って結果的に終了となったのです。
 この車が作られたとき,同じく田宮のR32GT−Rが大ブレーク(シャーシまで同じ・・・)。一気にツーリングカーブームとなり,オフロード系は一気に冷え込んでしまうことになります。
 今では,逆にツーリングカーをベースに入門用バギーが生み出されている状況です。
 あんなに僕らを熱くさせてくれた車達の末裔が,いつのまにか絶えてしまった・・・・そのことが非常に残念です。


コンカラー
最後のレーシングバギーとなったのは,実はこの車です。
「テラ・コンカラー(地球の支配者)」というとんでもないネーミングが与えられたそれは,実はトップフォースにダイナテック01Rモーターが標準装備された,輸出用モデル。ですから,あちこちに外国語中心の傾向が見られます。24000円でしたが,僕はなんと7000円で当時入手しました。これも,人気低迷の一端と言うことでしょうか。
しかし,性能は素晴らしいものがあります。ホットショットと比べると,この10年で何が変わったのかよくわかるのではないかと思います。
ダイナテックのパワーでも暴れないコーナリング。どこでもオールラウンドにグリップするピンスパイクタイヤ。非常に強固なシャーシとギヤボックス。メンテナンスをそれほど必要としないが,ギヤ一個交換するのが非常に簡単にできる工夫。

 この車のボディは,今なお生き続けています。
 「ブレイジングすたー」という初心者向けデュアルパーパスバギーのボディとして。
 いや,この車だけではありません。
 「ダートスラッシャー」として,スコーチャーのボディが。
 「マッドブル」として,グラスホッパーUのボディが。
 それぞれ,細々とですが生き続けているのです。

 しかし,最近リバイバルの波が生まれています。
 ワイルドウィリー2,そしてここでは扱っていませんがダイナストーム完全復刻,そしてティレルシックスホイラー。
 ホットショットも含め,ニューシャーシで,ぜひ復刻してほしい。
 そう思うのは僕だけでしょうか。


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